クルマのある風景(308)=ニッサンNV400

 2014-12-26
トノックスが英国日産より輸入するNV400に乗りました。
コレは日本生産の逆輸入車ではなく、スペイン生産の完全な欧州車です。
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近くで見ると小山のように大きいボディながら、乗ってみると案外簡単に動かせてしまう。少々意外な感覚。それは意のままになるダイレクト感があるからだ。

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4人が横に並んで座れる、この空間は身近にある同類のワゴン車やミニバンの類では得られない。前後で話す会話とはまた違った雰囲気もあり顔を見ながら話せる楽しさは格別。コレは特装車などのベース車両ゆえ、実体は貨商車なのでリクライニング機構はなく豪華な表皮でもないが、広々とした空間は何物にも代えがたいものがある。

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この手のクルマはウィンドーを拭くのも大変。そこにも容易に手が届くように、こんなステップのへこみが備えられている。もちろん滑り止め処理あり。

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前には3人並んで座れるし、真ん中をたためばテーブルが出現する。6段マニュアルのシフトレバーはステアリングホイールのすぐそばにあり、スポーツカー並のクイックシフト可能。操作力も軽い。

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6段階のギア比はクロースしており、上げるにしても下げるにしても同じような感覚で繰り返せばいい。下のトルクは充分で発進も含めて加速のレスポンスはいいし、上はターボ付きとはいえ際限なく吹け上がる感覚も、いきなり途絶える感覚もなく自然に低下するので、シフトアップするタイミングが容易につかめる。トルクカーブはただフラットなだけがいいとはいえない、それを教えてくれる好例。

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メーターはマイル表示であるが赤でキロ数字もちょっと加わる。ま、慣れればもんだいない。

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ミラーは上下2段で良く見える。足元もまずまず。木の枝などの上方を確認する術はないので注意が必要。

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荷室はこんな感じで仔牛を積めるほど広いが、窓がないので暗い。ここに簡単な家財道具をつんで道の駅などを巡れば1年くらいの路上生活?長距離旅行も可能かナー・・なんて考えてしまう。

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この長いホイールベースは乗り心地はもちろん操縦安定性にも大きく貢献する。エンジンはニッサン・ルノー共同開発による2・3リッター・ターボ・ディーゼルでノーズに横置きされて前輪を駆動する。都内から筑波山往復など300㎞ほど走った平均燃費は12㎞/Lを軽く超えた。よほどの渋滞でなければ2桁を割ることはないだろう。

  この車、欧州で売られている仕様の中にはFRや4輪駆動もあるがトノックスが輸入するのはFF前輪駆動だけ。大きなクルマは挙動がもっさりと鈍感な方が運転しやすいと思っている人もいるかもしれない。でもそれはマチガイだと思う。これだけ長いホイールベースでFR方式を採るとプロペラ-シャフトの捻じれなどで駆動レスポンスは遅れる。FFならばエンジンから直下の駆動輪まで即座に伝達される。そして2トンを優に超える重量は駆動輪の接地荷重も十分。前輪がスッスッと動いて後輪は素直についてくるだけ、このソリッドで軽快と言っていい動きが大きなボディに敏捷な感覚を与える。実際に乗ってみないとこんなにイイものだとは思えないかもしれない。大型トラックが前の駆動部分と後ろのコンテナ部分に分けられているのも理解されるだろう。この辺のことはWebCGの私のレポートをチェックしてみてください。とにかくこんな大きなクルマながら運転してオモシロイ例は稀少。どんなに便利で高度な装置であれ、クルマが勝手にやってくれるようなものを私はオモシロイとは思わない。何でも自分でやれる意のままになるクルマこそオモシロイ。あの大型乗用車のキャデラックがFF化していったのも技術的に当然の流れであった、と改めて思う。
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コメント
記事を拝読し、クルマって面白いなと、改めて感じました。まず、こういうバンが運転して楽しい、というのが面白いし、FFやロングホイールベースに対する先入観が覆させられます。そして、読みながら実際ドライブしているかのようなわくわく感を覚えます(こういう体験は小林さんと笹目さんだけです)。
おかげで、街ゆくNV200とNV350が気になって仕方ありません。

今年も面白い記事をありがとうございました。来年もお元気でご活躍ください。
【2014/12/26 14:54】 | N7 #- | [edit]
今年の春フランスで2,500kmほどお付き合い(運転したのは1,000kmほど)した私の感想と笹目さんのレポート、ほぼ100%同じです。本当に、素直で機敏で、しかも全く安定していました。後輪駆動のMBなどのバンよりはるかに安定して、雪道の峠の登りでもスリップもせず、盤石の乗り物という感じでした。ただ唯一の問題は、大きいこと。ホイールベースが長いので、油断すると小さなコーナーでは後輪が内側にはみ出しそうになりがちでした。(ラウンドアバウトの出口ーー慣れない左ハンドルで右折ーーでは、縁石をすってしまったことが数回)また、運転席の高さが大型トラックと普通車のちょうど中間あたりで、高速道路の料金所でカードや料金を入れるのにアクロバットが必要なことも。
普通に走っていて、大きさを忘れてしまうくらい快適に走れるのがむしろ問題かもしれません。自分の選択としてはないのですが、国内各社の一見ハイスペック(しかも高価)のワンボックスを買うのなら、絶対にこっちです。NV200や300がどこまで来ているかは知りませんが、日本とヨーロッパの車社会の深みの差の大きさを痛感させられる名車だと思います。

メーカーが鳴り物入りで発売したクルマのレポートには飽き飽きしています。今回のように、「面白いクルマだ!!」と実感して書いて頂いたレポート、本当に嬉しく、これが私が心酔した小林さんのロードインプレッションの原点だと思いました。是非今後もよろしくお願いいたします。
【2014/12/29 20:38】 | おおくぼ #PkqZq2iw | [edit]
こんばんは
三人並びの前席、四人並びの後席、上下2段のドアミラー。
ムルティプラのポリシーを活かして、大型貨物車を作ると、こんな感じでしょうか。
【2014/12/30 21:25】 | いなまる犬 #- | [edit]
このコメントは管理者の承認待ちです
【2015/07/24 13:45】 | # | [edit]












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